「歯列矯正に興味はあるけれど、痛そうで心配です」 「治療は何年くらいかかりますか?」 「大人になってからでも歯は動きますか?」
矯正治療を検討されている患者さまからは、このようなご質問をよくいただきます。 歯列矯正は数日で終わる治療ではなく、一定の期間をかけて少しずつ歯を動かしていく治療です。 そのため、始める前に不安を感じるのは当然のことだと思います。
今回は、初めて歯列矯正を受ける方に向けて、 治療の目的、痛み、期間、年齢、装置の違い、治療中に気をつけたいことを、 できるだけわかりやすくお話しします。
この記事で分かること
- 歯列矯正は見た目だけを整える治療なのか
- 大人になってからでも矯正できるのか
- 矯正治療中の痛みや違和感について
- マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
- 治療前に確認しておきたい注意点
歯列矯正は見た目だけを整える治療ではありません
歯列矯正というと、「前歯をきれいに並べる治療」「口元の見た目を整える治療」 という印象を持つ方が多いかもしれません。 もちろん、歯並びや口元の印象を整えることも、矯正治療の大切な目的です。
ただ、矯正治療の役割は見た目だけではありません。 歯並びや噛み合わせを整えることで、食べ物を噛みやすくしたり、 歯みがきがしやすい環境をつくったり、 一部の歯に強い力が集中するのを防いだりすることにもつながります。
歯が重なって生えている部分は、歯ブラシが届きにくく、 汚れが残りやすい傾向があります。 汚れがたまりやすい状態が続くと、虫歯や歯周病のリスクにも関係します。
また、噛み合わせのバランスが悪いと、 特定の歯ばかりに負担がかかることがあります。 そのため、矯正治療では歯の見た目だけでなく、 上下の歯の噛み合わせや、お口全体の状態を確認することが大切です。
歯列矯正は、歯並びをきれいに見せることだけが目的ではありません。 噛み合わせ、歯みがきのしやすさ、将来の歯への負担まで含めて考える治療です。
見た目では分かりにくい歯並びの問題もあります
一見すると歯がきれいに並んでいるように見えても、 上下の歯がうまく噛み合っていないことがあります。
例えば、前歯が噛み合わない開咬、下の歯が前に出ている反対咬合、 上の前歯が深くかぶさっている過蓋咬合などは、 見た目だけでは問題の程度が分かりにくいこともあります。
「前歯で食べ物を噛み切りにくい」 「片側ばかりで噛んでしまう」 「口を閉じにくい」 「歯が一部だけ強く当たる」 といった症状がある場合は、噛み合わせに問題が隠れている可能性があります。
ご自身に矯正治療が必要かどうかは、 見た目だけで判断するのではなく、 歯科医院で歯並びと噛み合わせを確認してもらうことが大切です。
大人になってからでも歯列矯正はできますか?
「矯正治療は子どもの頃にするもの」と思っている方もいらっしゃいますが、 大人になってからでも歯列矯正を始めることはできます。
歯と歯ぐき、歯を支える骨が治療に耐えられる状態であれば、 年齢だけを理由に矯正治療ができないとは限りません。 実際に、仕事や子育てが落ち着いてから矯正を始める方や、 長年気になっていた前歯の歯並びを整えたいという方もいらっしゃいます。
ただし、大人の矯正では、虫歯、歯周病、被せ物、欠損している歯などを 事前に確認する必要があります。 歯周病が進行して歯を支える骨が減っている場合は、 そのまま矯正治療を始めると歯や歯ぐきに負担がかかる可能性があります。
そのため、まずお口全体を診査し、 必要に応じて虫歯治療や歯周病治療を先に行います。 矯正治療を安全に進められる状態を整えてから開始することが重要です。
子どもの矯正と大人の矯正の違い
子どもの矯正では、歯の並びだけでなく、 顎の成長を利用しながら治療を進められる場合があります。 永久歯が生えそろう前から、お口の状態や成長を確認することで、 将来の歯並びに配慮した治療計画を立てることがあります。
一方、大人は顎の成長がほぼ終わっているため、 現在の骨格や歯の位置をもとに治療計画を考えます。 子どもと大人では治療の考え方や使用する装置が異なる場合があります。
ただし、「子どもの頃に矯正しなかったから、もう遅い」ということではありません。 大人になってからでも、お口の状態に応じた治療方法を検討できます。
歯列矯正は痛いですか?
矯正治療を検討している方が特に心配されるのが、治療中の痛みです。 歯列矯正では歯に力をかけて少しずつ動かすため、 装置をつけた直後や調整を行った後に、 歯が押されるような鈍い痛みや違和感が出ることがあります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、 多くの場合は装置をつけた直後や調整後の数日間に感じやすく、 時間とともに落ち着いていきます。
「歯を無理やり引っ張って動かす」と想像すると怖く感じるかもしれませんが、 矯正治療では歯とその周囲の組織の反応を利用しながら、 適切な力でゆっくり歯を移動させます。
強い力をかければ早く動くというものではありません。 むしろ、歯や周囲の組織に負担をかけないよう、 状態を確認しながら少しずつ治療を進めることが大切です。
装置が頬や唇に当たることがあります
ワイヤー矯正では、装置が頬の内側や唇に触れ、 最初のうちは違和感や口内炎が出ることがあります。
お口の中が装置に慣れると気になりにくくなることもありますが、 強く当たって痛い場合や、ワイヤーが飛び出している場合は、 我慢せず歯科医院へ相談してください。
食事の時に噛みにくいことがあります
装置を調整した直後は、歯に力がかかっているため、 硬いものを噛むと痛みを感じることがあります。
痛みがある時は、おかゆ、うどん、豆腐、スープ、やわらかく煮た野菜など、 あまり強く噛まなくても食べられるものを選ぶと負担を減らせます。
痛みが長く続く場合や、日常生活に支障が出るほど強い場合は、 装置や噛み合わせの確認が必要になることがあります。
歯列矯正で大量に出血することはありますか?
通常の矯正治療では、歯を一度に大きく動かすわけではないため、 装置をつけたり歯を動かしたりするだけで大量に出血することは一般的ではありません。
ただし、歯ぐきに炎症がある場合は、 歯みがきや装置の周囲を清掃した時に出血することがあります。 これは矯正によって歯から血が出ているというより、 歯ぐきに汚れがたまり、炎症が起きている可能性があります。
矯正装置がつくと、装置の周囲に食べ物や歯垢が残りやすくなります。 そのため、矯正治療中は今まで以上に丁寧な歯みがきが必要です。
矯正治療を始める前に虫歯や歯肉炎、歯周病が見つかった場合は、 先に治療を行い、お口の状態を整えてから矯正を始めることがあります。
歯列矯正の治療期間はどのくらいですか?
矯正治療の期間は、歯並びの状態、動かす歯の本数、 噛み合わせ、使用する装置、年齢などによって異なります。
比較的軽い歯並びの乱れであれば短期間で終わる場合もありますが、 お口全体の噛み合わせを整える治療では、 一般的に年単位の治療になることがあります。
また、歯を動かす治療が終わった後には、 整えた歯並びを安定させるための保定期間があります。 歯は動かした直後、そのままにしていると元の位置に戻ろうとする性質があるためです。
保定装置を指示どおりに使用しないと、 せっかく整えた歯並びが戻ってしまう可能性があります。 矯正治療は、歯を並べ終わった時点で完全に終了するわけではありません。
仕事や学校に通いながら治療できますか?
多くの方が、仕事や学校に通いながら矯正治療を受けています。 毎日歯科医院へ通う必要はなく、 装置や治療内容に応じて定期的に調整や確認を行います。
ただし、予約日に通院できない状態が長く続くと、 治療計画どおりに進まなくなることがあります。 治療を始める前に、通院頻度や診療時間、 自分の生活の中で継続できるかを確認しておくことが大切です。
歯列矯正にはどのような方法がありますか?
歯列矯正の代表的な方法には、 マウスピース型の装置を使用する方法と、 歯にブラケットとワイヤーを装着する方法があります。
どちらが優れているということではなく、 歯並びの状態、治療する範囲、生活スタイル、 装置の管理ができるかどうかなどによって適した方法が異なります。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を歯に装着し、 段階的に装置を交換しながら少しずつ歯を動かす治療方法です。
装置が透明で目立ちにくく、 食事や歯みがきの際に取り外せることが特徴です。 人前に出る仕事をしている方や、 矯正装置の見た目が気になる方が希望されることがあります。
マウスピース矯正のメリット
- 透明なため装着していても比較的目立ちにくい
- 食事の時に取り外せる
- 普段どおりに歯みがきしやすい
- 金属の装置が頬や唇に当たる違和感が少ない
マウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正は、好きな時だけ少し装着すればよい治療ではありません。 歯科医師から指示された時間、毎日きちんと装着する必要があります。
装着時間が不足すると、予定どおりに歯が動かず、 マウスピースが合わなくなったり、治療期間が延びたりすることがあります。
また、すべての歯並びにマウスピース矯正が適しているわけではありません。 歯の移動量が大きい場合、複雑な噛み合わせの調整が必要な場合、 骨格的な問題がある場合などは、別の方法が適していることがあります。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、 ワイヤーの力を利用して歯を動かす治療方法です。 一般的に「歯列矯正」と聞いてイメージされることが多い方法です。
幅広い症例に対応しやすく、 歯の移動量が大きいケースや複雑な歯並びにも適応できる場合があります。
ワイヤー矯正のメリット
- 幅広い歯並びに対応しやすい
- 歯の移動量が大きい症例にも対応できる場合がある
- 装置を自分で外す必要がない
ワイヤー矯正の注意点
装置を常に装着するため、 最初のうちは口の中の違和感を覚えることがあります。 また、装置の周囲は歯ブラシが届きにくくなるため、 丁寧なセルフケアが欠かせません。
装置の周囲に汚れが残ると、 虫歯や歯肉炎の原因になることがあります。 矯正治療中は、歯みがきの方法についても歯科医院で確認しながら進めることが大切です。
どちらの矯正方法が自分に合っていますか?
「マウスピース矯正がいいです」 「ワイヤー矯正はしたくありません」 というご希望を伺うことがあります。
もちろん、ご希望は大切です。 しかし、歯並びや噛み合わせの状態によっては、 ご希望の方法だけでは十分な改善が難しいこともあります。
そのため、まずはお口の状態を確認し、 現在の歯並びに適した方法をご説明したうえで、 一緒に治療方法を考えていきます。
矯正治療を始める前に確認しておきたいこと
虫歯や歯周病の治療が必要になることがあります
矯正治療を始める前には、 虫歯や歯周病がないかを確認します。 必要に応じて先に治療を行い、 お口の状態を整えてから矯正治療を開始します。
定期的な通院が必要です
矯正治療では、 装置をつければ終わりではありません。 歯の動きを確認しながら、 定期的に調整を行います。
通院が長期間空いてしまうと、 治療期間が延びたり、 計画どおりに歯が動かなかったりすることがあります。
毎日のセルフケアがとても大切です
矯正装置の周囲は汚れが残りやすくなります。 治療を成功させるためには、 歯科医院での管理だけでなく、 ご自宅での丁寧な歯みがきも欠かせません。
必要に応じて、 歯ブラシだけではなく、 タフトブラシやデンタルフロスなどを併用することもあります。
分からないことは遠慮なく相談してください
矯正治療は、 数週間で終わる治療ではありません。 長い期間を一緒に進めていく治療だからこそ、 不安や疑問を残したまま始めることはおすすめできません。
「本当に自分は矯正した方がいいの?」 「費用はどのくらい?」 「仕事をしながらでも通える?」 「子どもの矯正はいつ始めればいい?」
気になることがあれば、 小さなことでも遠慮なく相談してください。 納得したうえで治療を始めることが、 矯正治療ではとても大切です。
金町・葛飾区で歯列矯正をご検討の方へ
久保田歯科クリニックでは、 見た目だけではなく、 噛み合わせや将来のお口の健康まで考えた矯正治療を大切にしています。
「歯並びが気になる」 「子どもの矯正について相談したい」 「大人でも矯正できるか知りたい」 という方も、 まずは現在のお口の状態を確認するところから始めましょう。
よくある質問
大人になってからでも矯正できますか?
はい。お口の状態によりますが、 年齢だけを理由に矯正治療ができないわけではありません。 まずは検査・診査で現在の状態を確認します。
矯正は痛いですか?
装置を調整した直後などに痛みや違和感が出ることがあります。 多くの場合は数日で落ち着いていきます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらがおすすめですか?
歯並びや噛み合わせによって適した方法が異なります。 検査を行い、お口の状態に合わせてご提案します。
治療期間はどのくらいですか?
歯並びの状態によって異なります。 軽度の症例から全体的な矯正まで、 治療内容に応じて期間をご説明します。